ドランカーズヘブン

14日の夕方、ふと思い出したんだ。大事な恋人に何か素敵なプレゼントを渡さなきゃいけないって事を。もう陽は暮れかかっている。少し悩んだがやっぱりこれは俺の皮膚の一部だと思い直しレイバンのティアドロップを掛けあてもなくエルカミーノを走らせた。もうすっかり日も暮れ7本目のゴロワーズに火を点けふと車窓を眺めるとそこにオレを手招きする一軒の酒屋があった。幾度となく通るその通り、そこにその酒屋があるのは随分前から知っていた。何の変哲もない酒屋だ。ただ今日に限ってその酒屋はオレを手招きしていたんだ。

路肩にエルカミーノを停め、吸い寄せられるように店に入る。どうやら間続きで立ち飲みもやっているらしくカーテン奥からは仕事上がりのブルーカラーの陽気な歓声が聞こえて来る。入り口のレジで下を向いていた主人が顔を上げて、馴染みではないオレを訝しげに眺めながらも小さくいらっしゃいと声を掛けてくれた。正面奥にオレを待っていたかの様にワインが並び、その中央の一瓶は彼女のグラスに注ぐのにはうってつけだった。オレはそれレジに持って行き金を差し出すと伊藤耕そっくりの店主はコルク抜きを差し出し中尾彬そっくりの声で「向こうにはないからこっちで抜いて行きな」と立ち飲みの方に顎を向けた。ここは買ったばかりのワインをその場でラッパ飲み出来る店なのか、オレがそういう人間に見えたのかは分からない。「いや、これはオレの恋人へのプレゼントで出来ればそんな感じの包装をしてほしいんだ」とオレが返すと少し間が開きアル中特有のささくれた優しい微笑を浮かべレジ下をごそごそかきまわし販促のビニール袋とリボンを取り出しラッピングをしてくれようとしたが、彼は蝶々結びがおぼつかないほどtoo drunkだったので立ち飲みのカウンターに居る彼の妻に包装を頼んだ。優しそうな奥さんはこういうことはあんまりしないからとぎこちない手つきで丁寧に恋人のワインを包んでくれた。「ありがとう。次はオレのために来るよ」と礼を言うと今月で関東炊が終わるからそれまでにはおいでとドアを開けてくれた。酔っぱらいの歓声はまだ聞こえてくる。オレは小さくチアーズと呟いた。レイバンは結局外さず終いだった。

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ジム・フィータス

その名を口に出すと私の想いは10数年前にタイムスリップする。当時思いっきり万引きし易かった大きさのフールズメート。その一稿に彼のライブパフォーマンスのモノクローム、彼の足元に光るジョンソンズのグラディエーターブーツ。当時思いっきり万引き出来ないタイムボムとロボットに彼のレコードとブーツが置いてありどうしようもなく恋い焦がれて大人買い。季節外れの大掃除の折に彼のCDを発掘。
今は亡きD・E・A・Dの池田さんに『みっちゃん、ジムフィータスやったらオレコンプリートやで。録ったろか?』とのお言葉を今思い出し号泣中です。
念のためですが今は亡きはDEADで池田さんは絶賛活躍中です。

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